筆づくり
日本の絵画、書道の優雅さ、流れるように引かれる美しい細線を描くため、筆には高度な完 成度が求められます。職人たちは、筆の命ともいえる毛先の完成度を追い求め、原毛を見極める目利き、その良さを導き出す精毛、そして穂先つくりと優れた技を培ってきました。
こうして、繊細で多彩なニュアンスを実現した筆づくりの技が完成したのです。この筆づくりの技を化粧筆に取り入れることで、日本独自の化粧筆が生まれました。
1選毛・混毛
筆司により吟味された高品質な原毛だけを使用します。
人間の髪の毛と同じように「硬さや太さ、クセ」がひとつひとつ異なる原毛を、機能、用途にあわせて混毛することで均一の品質に仕上げます。
人間の髪の毛と同じように「硬さや太さ、クセ」がひとつひとつ異なる原毛を、機能、用途にあわせて混毛することで均一の品質に仕上げます。
2精毛(逆毛取り)
原毛に含まれている逆毛や毛先が傷んだ毛だけを半差し(小刀)を用いて上向きに抜き取ります。
熟練した職人にしかできない熊野筆つくりの伝統技法です。
熟練した職人にしかできない熊野筆つくりの伝統技法です。
3コマ入れ
化粧筆の命というべき穂先の形状を整えます。コマに毛を入れ細かい振動を与え全ての毛がコマに馴染むようにします。コマ自体も化粧筆の用途にあわせて一つ一つ手づくりしています。
4糸締め
コマから取り出す前に、根元に針金を水平に均等な力で巻き付け固定します。次の工程「揉み出し」のため適度な強さが求められる繊細な作業です。
5揉み出し
コマ入れで出来た穂先をより完成度を高めるために「揉み出し」をします。
仕上げる穂先をイメージしながら、毛に触れる感触で、どこをどう揉のかを瞬時に判断し仕上げていきます。特に高度な技が求められる最も重要な工程です。
仕上げる穂先をイメージしながら、毛に触れる感触で、どこをどう揉のかを瞬時に判断し仕上げていきます。特に高度な技が求められる最も重要な工程です。
仕上がった穂先の根元の余分な毛を切り取ります。
6金具どめ
穂先に金具を装着して固定します。
7軸づけ
穂先を軸に取り付けます。